幸せにはたらくチームに共通する5つの要素
本ブログでは、組織づくりや人材育成について、悩みを抱える経営者や上司の皆さんから相談を受けるテーマについて、幸せ視点で解決するやり方(doing)とあり方(being)をご紹介します。
本日のテーマは、「幸せにはたらくチームに共通する5つの要素」です。
「はたらくをハピネスに!」をパーパス(意義・目的)に掲げ、活動する
幸せ視点の組織づくりコンサルタントの中村恵美(なかむらめぐみ)です。
2011年SPARKS NETWORK株式会社を創業。2016年グロービス経営大学院大学でMBAを取得しました。
企業の組織づくりのコンサルティングや研修の企画運営と講師として登壇しています。
会社創業のきっかけは、パチンコ店のスタッフのキラキラ輝く姿でした。
お仕事で訪問したパチンコ店A店。
スタッフさんから、笑顔でとても気持ちの良い挨拶をされました。
そのお店のスタッフさん、全員がイキイキと楽しそうにお仕事をしています。キラキラ輝いていて、とても充実して幸せそうな印象を受けました。スタッフ皆さんからの素敵な挨拶に、感動しました。
次に訪問した隣のパチンコ店B店。
スタッフさんと目が合うことはありませんでした。誰からも挨拶はありませんでした。そのお店のスタッフさん、全員がダラダラとしんどそうにお仕事をしています。どんよりとした空気で、やらされ感でいっぱい。見ているこちらまで疲れてしまう、そんな気持ちになりました。
A店もB店も時給は殆ど変わりません。
求人サイトを見て応募してきたアルバイトを雇用しています。たまたま目にした求人がA店だったか、B店だったか。A店だけが優秀なスタッフを雇用できたわけでは無さそうです。
A店で働くスタッフは、幸せに仕事をしている。
B店で働くスタッフは、不幸に仕事をしている。
同じパチンコ店店員という仕事なのに、どうしてこんなにも、A店とB店は違うのだろう?
10数年前のパチンコ店のホールスタッフの仕事は、玉が入った箱の上げ下ろし、空いた台の清掃、吸い殻の回収、台のトラブル対応、お客様の持ち玉や持ちメダルの計測、お客様の呼び出しランプへの対応を含む顧客対応…など多岐にわたっていました。
お客様は、喜怒哀楽さまざまな感情に変化しながら遊技します。パチンコで負けたお客様からスタッフに、厳しいクレームが入ることも珍しくありません。とても難易度の高い接客業です。
A店スタッフは、どうして、こんなにもキラキラと幸せそうに仕事をしているのか?教えて欲しい! 勉強させてもらいたい! そして、多くの人に伝えていきたい!
A店のようなお店が増えたら?イキイキと幸せに仕事をするスタッフが増えたら?
お客様にもその幸せが連鎖して、幸せがどんどん連鎖する。想像しただけでワクワクしてきました。
幸せにはたらくスタッフ、チームのつくり方とは?
A店のスタッフたちは、こんな“想い”で仕事をしているということがわかりました。
自分たちのお店は、地域の公民館のような存在でありたい。お客様に、快適にご遊技いただきたい。お客様に、「また、来たい」「また、会いたい」と思ってもらいたい。
A店は、こんな“協力体制”で仕事をしているということがわかりました。
接客が得意、機械のメンテナンスが得意、掃除が得意…みんなが得意で貢献する。
A店は、こんな“仕組み”で仕事をしているということがわかりました。
毎月2回30分間のスタッフミーティングを開催し、サービスの改善提案やお客様情報の共有をする。A店は、毎週1回朝礼時にロールプレイングを行い、お客様対応スキルを高めている。
幸せに働くスタッフ、チームのつくり方をもっと知りたい! と、インタビューを重ねました。一部のスタッフが幸せそうに働いているお店は沢山ありました。しかし、全員が幸せそうに働いているお店は、なかなかありませんでした。
その後、パチンコ店、居酒屋さん、エステ、ヨガスタジオ、ホテル…幸せにはたらくチームの共通点が見つかりました。
満たされていた「5つの共通点」
幸せにはたらくチームには、5つの共通点がありました。
1.共通の目的・目標
何を目指しているか、全員が理解し、目的・目標の達成に向けて主体的に取り組んでいる
2.チームワーク
それぞれがチームに貢献しようとココロも行動も協力的
3.コミュニケーション
大切なことも些細なことも伝え合うことができている
4.リーダーシップ
全員がリーダーで、全員がフォロワー
5.スキルとルール
学習の機会を持ち、必要なスキルの習得に励んでいる。チームが幸せにはたらくために必要なルールがある。
1〜3は、MBAで学んだ「バーナードの組織の3要素」と一致します。
「バーナードの組織の3要素」とは、アメリカの経営学者チェスター・バーナードが提唱した組織が成立するための3つの条件のことで、「コミュニケーション」、「協働の意欲」、「共通の目標」の3つのどれもが組織には一定水準必要とされているという理論です。
1〜3を満たすための土台に、「4.リーダーシップ」と「5.(チームで協働するための)スキルとルール」がありました。
「幸せにはたらくチーム」は、この5つのどれも欠けていません。
「幸せにはたらくチーム」は、偶然や突然変異でつくれるものではありません。
「幸せにはたらくチーム」をつくる、そのために、ブレずに取り組む企業姿勢と、それらを実現するための様々な施策が必要です。
意図的に立ち止まり、チェックし、改善するという仕組みがあるのです。
キラキラ輝くパチンコスタッフから学んだこと。それは、「幸せにはたらくチーム」をつくるには、共通の目的・目標、チームワーク、コミュニケーション、リーダーシップ、スキル(学習の機会)の5つの要素を満たす必要がある。
「幸せにはたらくチーム」「幸せにはたらくヒト」への進化や成長をお手伝いするために創った会社がSPARKS NETWORK株式会社です。次号以降、幸せにはたらくチームづくり、幸せにはたらくスタッフを育成するために具体的に何をしていけば良いか?幸せ視点で解決するやり方(doing)とあり方(being)をご紹介します。