ピンチをチャンスに変えたサービス体験
サービス向上を支援するコンサルタントとして、良質のサービスを体験する機会をつくり、「グッと心を掴まれる瞬間は?」「サッと心が離れる瞬間は?」というアンテナを立てながら、改めてサービスを勉強中。
先日、今年6月に開業したウェスティン横浜での体験をシェアします!
ディナーで遭遇した予想外の出来事
同行者の中学2年生の甥は、食べれるものが限られている。コース料理を注文しても、殆ど食べられない。
夕食を予定しているフレンチレストランの予約時にその旨を伝えて、甥の特別プレートを用意してもらう手筈を整えていた。
オーダー時、どうやらそのリクエストは通っていない様子。
そして「お子様プレートはいかがですか?」と残念な提案。178cmラグビー部員の甥がお子様プレートで足りるはずもないからだ。
甥も母親も「食べれないのにフレンチレストランに来てすみません」と言わんばかりに、恥ずかしさと申し訳なさで恐縮しきり。「それでは、お子様プレートをお願いします」と、残念な着地をしてオーダーは終わった。
オーダー担当スタッフが立ち去った途端に、みんなが甥に向けて、フォローを始めた。
「コースメニューで食べれるものをシェアしようね」「お肉あげるね!」と。残念な空気を変えようとみんな明るく振る舞った。
そんな時、救世主登場!
笑顔の男性スタッフからこんな提案が。
「お好きなものを選んで、一緒にメニューを考えませんか?」「ポテトフライはお好きですか?ステーキはどうですか?コンソメスープはどうですか?」と。
甥の大好物で構成された特別プレートを用意してくれたのだ。そして極め付けは、コースではない甥にもデザートのアイスクリームをサービスしてくれた。
この救世主のおかげで、甥はもちろん、みんなが幸せなディナータイムに変わった!
さて、私たちは、何故、幸せにディナーをいただくことができたのか?
ディナーの満足度が変わった4つの理由と仕組み
1.リクエストが通っていなかったことは、ミス
→でも、このミスは挽回できるもので、致命的ではない
2.オーダー時、イレギュラー対応に困ったスタッフは、お子様プレートを提案
→アラカルト注文を受けておらず、当日注文はお子様プレートのみなのか?残念な対応
3.オーダーを受けた人が報告したor誰かが残念そうなテーブルを観察していた
4.救世主が登場し、顧客の要望を聞き、応える。デザートをサプライズでサービス
→期待に応え、期待を超える
「ピンチをチャンスに変える」を顧客として体験できた。
ピンチをチャンスに変える分岐点は、「3.」の報連相と観察。ここが出来ているチームは、「4.」の期待に応え、期待を超えることへつなげるチャンスが得られる。
開業後1ヶ月ちょっとのホテルで残念な対応はあったものの、きちんと挽回して幸せなディナータイムを過ごすことができたのは「3.(報連相と観察)」の仕組みがあったから。
ウェスティン、さすが!!!
「4.(期待に応え、期待を超える)」を属人的に偶発的に行うのではなく、「3.(報連相と観察)」から「4.(期待に応え、期待を超える)」につなげる仕組みを作っていきたい。